2009年11月18日
水彩画 ススキを描くテクニック3
前景の緑が乾いたところで、白い穂の帯の中に見え隠れするススキの茎や、その下の緑色の葉っぱなどを描き込んでいきます。
穂の中の茎は茶色で、穂の一本一本が付け根で茶色になって集まっているようすなどを、なるべくランダムに描き込むのですが、描いているとパターンみたいに規則的な配置になりやすいんですね。そこで、パターンにならないために、写真に写っている茎を写すように描いていきます。といっても、写真とそっくり同じ位置に描くわけではなくて、ただ写真を見ながら描くと、自然にパターン化が防げてしまうのです。
穂の下の茎と葉っぱの一部分です。葉っぱの光ったところと白い穂はマスキングインクやろうそくでマスクされているので、茎をどんどん描いていきます。これも、写真を見ながら描くおまじないで(笑)パターンにならないように。
スッとした茎は、日本画の線描のように、筆を垂直に立てて筆先でスッと引くとうまくいきます。上下に引くのが難しければ、絵をヨコにして左右に引くとうまくいきますよ。
葉っぱは、マスクしたハイライトにつなげて葉っぱのシャドウを描くと、葉陰からのびた葉っぱに光が当たっているようすを描写出来ます。
茎と葉っぱを描き込み終わったところ。完全に乾いたら、マスキングインクをラバークリーナーで剥がして、白くしたいところなどをスポンジでそっとこすって修正します。
しばらく眺めてみて(少なくとも丸一日)、OKならサインを入れて完成です。
毎度ながら、お付き合いいただいて、ありがとうございました。
サイズ:297×420mm 紙:ファブリアーノ クラシコ5
使った絵の具:ウルトラマリンライト、バーントシェンナ、バーントアンバー、
カドミウムイエローライト、マンガニーズブルーノーバ(以上、ホルベイン)
パーマネントローズ(W&N)
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ところで、今回使用されているクラシコ5という水彩紙は、ファブリアーノのウォーターカラースタジオとは違うものなのでしょうか。こちらもコットンとパルプが混合されたものだというので、少し疑問になりました。
ファブリアーノ系は名前がややこしいですね。
ファブリアーノは名前がやっかいですね。でもイタリア本国ではちゃんと使い分けられています。国内では名前が交錯していますが。クラシコ5は本国では「ファブリアーノ 5 」という名前で、コットン50%です。ウォーターカラースタジオは国内の画材店サイトでコットン25%と説明されています。ファブリアーノの水彩ブロックは総じて高価ですので、手にはいるなら全紙を買って水張りする方がずっと割安です。ウォーターカラースタジオのブロックなら、同じ値段でコットン100%のウォーターフォードやストラスモアが買えるので、こちらをオススメします。
先日初めてウォーターフォード(中目)を使ってみたのですが、「うわあ〜!」と感激してしまいました。
ずっとワーグマンや鳥の子(機械漉きですが、永山裕子さんを真似て)を使っていたのですが、どうしてもうまくいかず、自分は本当に絵が下手なんだなとがっかりしていた所だったので、また希望が持てそうです。
ウォーターカラースタジオも使い終わったら、オススメのコットン100%を視野に入れてみたいと思います。
色々教えていただいて、スッキリしました。ありがとうございます!!
お役に立てて何よりでした。またいつでもどうぞ。