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2011年06月07日

サイゴンの朝 メイキング1 日本透明水彩会展出品予定

写真から描いたっていいじゃないか……

↑水彩仲間のブログにあった言葉。今更だけれど、未だに「写真を見て描いた絵はダメだ」とか、「写真を写して何になる」とか、更には「写真をもとに描いた絵は死んでいる」なんて言い放つ人もいるみたいね。「死んでる」なんて言うのは簡単だけれど、じゃあ、「死んでる」絵の定義は何か? キチンと説明されたことはない。ハイパーリアリズムの作品はもとより、ドガやカイユボットやユトリロも、先日、日曜美術館に登場された野田弘志画伯の作品も、みんな死んでるのかい(笑)、そんな訳ないと思うぞ。

何でこんな話をするかというと、いまだに「写真を見て絵を描いてはダメだ」と声高に主張する方がいらっしゃるので、アマチュアとしてはそんな「ご高説」に反論もままならず、写真から描いたという罪悪感を持たされてしまうから。キチンとした写真の知識があればこんな主張はなさらないだろう。ご自身の主義主張を他人に押しつけるのもどうかと思うけれど。

絵の制作に写真を使う、使わないは、単なる主義主張の問題だ。
そんなことは、自由でよいと断言できる。


使わない人は使わない人でそのスタイルを貫けばよいし、
使う人は使ったからといって、罪悪感を持つ必要はないよ。

ボクも写真をもとに絵を描く。静物画などそうではない絵もあるけれど、各地の町中の風景などは写真で絵を作っていくと言ってもいい。
だからある程度の写真の知識は必要だ。露出と階調の関係や、被写界深度、ラチチュード、画角とパースの関係、レンズの収差くらいは知っていると役に立つ。
また、目で見たパースは不完全であることも知っておくべきだ。これは簡単に実験できる。目の前5cmくらいの所にキャッシュカードを垂直に立ててみれば、カードの両側が見えてしまうのがわかるはずだ。風景のように広がりのあるものは、視線を移動しただけでパースが変わるから、遠近法に忠実にスケッチするのは困難だ。

というわけで、写真を使う、使わないと言う不毛な議論はやめにして、制作に専念しよう。

今回制作する水彩画は「第一回日本透明水彩会展」に出品予定の作品で、ベトナムの朝の風景。ここのところ、このテーマに挑戦している。
朝の光がテーマなので、主役が不在みたいな絵になりそうで失敗するかも。まあ、何事も挑戦だ。

1106GMS2_01440.jpg
ベトナムの取材写真から、ホテルの前の通り「ドンコイ通り」の朝の風景を選んだ。写真は20枚ほどあるけれど、光線のよい写真と二人乗りのバイクの写真をメインに制作。まずは写真を大きくプリントしてトレースした。もちろん、写真をスケッチしてもよい。


1106GMS2_02440.jpg
白抜きの文字やピカッと真っ白に残したい部分はマスキングインクでマスキングしておく。


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マスキングが乾いたら、画面を水でぬらす。アクセントのバイクと日の当たっているところは白く残したい車道は塗らさずに残した。
水が十分染みこんで、表面も湿っている状態になったら、空からウェットインウェットで塗っていく。


1106GMS2_04440.jpg
輪郭からはみ出してもよいので、薄い色から大胆に塗っていく。写真をトレースして描くと、キチンとしすぎておもしろみのない絵になりやすい。それを防ぐためにもここは輪郭線を気にせずガシガシ塗ってしまう。


1106GMS2_05440.jpg
最初のウェットインウェットが乾いたところ。このあとは暗いシャドウから塗っていく予定だ。
(その2に続く。)
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2011年06月09日

サイゴンの朝 メイキング2 【日本透明水彩会】展出品予定

(その1から続き)

いつもなら、完成してからメイキングを書くのだけれど、今回はリアルタイムだ。
だからちょっとずつしか進まないけれど、ガマンしてお付き合い下さい。



1106GMS2_05440.jpg
ウェットインウェットで塗った最初のウォッシュが乾いたら、今回は暗いところを先に塗っていくことにする。



1106GMS2_06440.jpg
↑こんな感じで、写真上ではほとんど黒い所を塗っていく。
ちょっぴり飛び出たビルのひさしの影や、壁の汚れも塗ってしまう。
明暗と一緒に、黒い色の部分も塗ってしまうと言うことだ。壁はあとから薄い色を上からかける。あとから透明な色を塗り重ねる技法をグレージングという。



1106GMS2_07440.jpg
塀より遠くの建物から、シャドウを描き込んでいるところ。右端のビルは、この画像では濃くなっているけれど、実際にはもっと薄い。
遠くのものほど薄く青みがかって見えるので、そのように描いていく。これは空気遠近法。
ただ、遠くのものほど小さくなるので、窓など、細かい描写も必要になってくる。遠景をあまり大雑把に省略しすぎると、かえって臨場感が無くなってしまう。



1106GMS2_08440.jpg
右端の壁は森の中の情景が印刷されている看板だ。最初のウェットインウェットが乾いたあと、薄くなりすぎたので重ね塗りし、さらに木の葉の明暗をつけるためにマスキングインクをスパッタリングで飛ばしてある。

さらに手前の暗いシャドウも塗っていく。
(その3に続く)
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2011年06月14日

サイゴンの朝 メイキング3【日本透明水彩会】展出品予定

(その2から続き)

ところで、もとになった写真を掲載しないままここまで話が進んでしまった。忘れちゃったよ。ゴメン。
この写真です。↓

1106GMS2_00440.jpg
数枚の写真を繋げて合成&遠景と手前と露出の違う写真を使っている。アクセントのバイクはそこだけ明るくしてある。

こんどこそ、メイキングの続き。
遠景のシャドウを塗ったら、次に手前のシャドウを塗っていく。黒い色の部分も一緒に塗ってしまってかまわない。
右利きの人は左側から塗っていくとトラブルが少ないぞ。

1106GMS2_10440.jpg
左側の塀、アパレル広告の人物やアクセントになるバイクの人物のシャドウを塗ったところ。

1106GMS2_112440.jpg
看板の中の人物はそんなに克明に描く必要はない。あとでどうせ影の中に入ってしまうからネ。バイクの人物は反対にしっかり描き込んでおこう。


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真ん中の木、右の壁に落ちる影を描いたところ。歩道の縁石も暗いところを塗っておく。細かいとこだけど、縁石が一個ずつ独立して見えるように、右側の縁石は1つずつ塗り分けてある。左奥の縁石は遠いので一緒に塗ってしまえばOKだ。

1106GMS2_113440.jpg
右の壁に落ちる影。これはたぶん中央の木の枝が落としている影だ。影を先に塗ってしまって、あとから看板(この塀の広告はリゾートホテルのプールサイド)の色を塗り重ねれば、自然な濃淡になる。
影は、斜めにひと塗りしたら、小さな筆に水を含ませてフチをなぞるようにぼかしてある。なぞる筆は水が多すぎると絵の具が流れてしまうので、紙を湿らす程度に水分量を調節する。文章で書くと難しいけれど、やっていることは簡単だ。筆をジャボッと水につけたら、キッチンペーパーか雑巾に筆先をポンポンと2回くらいくっつけて、筆先から水を吸い取らせればいい。細かいボカシは4号筆を使っている。

(その4に続く。)
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2011年06月17日

サイゴンの朝 メイキング4【日本透明水彩会】展出品予定

(その3から続き)

シャドウを塗り終わったら、いよいよ色をつけていく。シャドウが塗りおわったと言っても、あとで全体を見ながらシャドウの調子も整えていくので、上から塗ると不自然になりそうな濃いところだけ塗った訳だ。

中間の色は、とりあえず右端の塀に印刷されているアパレル広告からつけていった。

1106GMS2_12440.jpg
描くときに参考にしている写真では、この部分よくわからないけれど、ほら、資料写真はいろいろな角度から撮っておくべしという教えを守っていたおかげで(笑)ちゃんと参考になるべつの写真がある。それを参考にしながら色を塗っていく。

1106GMS2_122440.jpg
↑これが別アングルの写真
これだと、このお姉さんたちが何を持っているかとか、服の色とかだいたいわかるよね。

1106GMS2_124440.jpg
上の写真を参考に色をつけたところ。シャドウを塗った上から塗ってしまってかまわない。
この部分はほとんどが日陰であまり日が当たっていない。あとで影の色を塗り重ねていくので、ちょっと派手にしておいてかまわない。

細かいところはこんな調子でどんどん色をつけていく。部分的に色を塗ると、そこばかり目立ってしまうような木がするかもしれないけれど、あとで全体を見ながらおおまかな色も塗っていくので、心配ない。

(その5に続く)
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2011年06月20日

サイゴンの朝 メイキング5【日本透明水彩会】展出品予定

(その4から続き)

1106GMS2_13_440.jpg
壁面広告に大雑把な色を塗ったところ。左端の壁はまだ光の濃淡を描き込んでいない。
3番目の壁、リゾートホテルの広告はこの部分だけ水で湿らせて、再びウェットインウェットで色を塗っていった。

この壁面に色を塗りおわったら、再び後ろの建物を塗っていく。
左端の黄色い建物は、比較的大雑把に塗り、真ん中の特徴的な屋根の建物はそれより細かく塗っていく。遠景のビルはさらに細かいけれど、全体は薄いイメージになるようにする。



1106GMS2_132_440.jpg
真ん中の建物の屋根部分を塗っているところ。
左の黄色い建物は、壁面を大雑把に塗っていった。けれども、この建物はそれよりは近くにあるので、もう少し細かく、分割された面ごとに色をつけていった。こうすると、左の建物よりイメージがはっきりして、より近くにあるように見えると思う。



1106GMS2_14_440.jpg
壁の後ろの建物や街路樹の葉を塗りおわったところ。このあとは、全体を見ながら明暗を調整していく作業。と言っても、具体的には濃度の足らないところを重ね塗りして濃くしていくだけだ。透明水彩では、絵の具が乾いたあとで明るくするのはムズカシイから、明るくしたいところは塗りすぎないように。手前の壁や歩道の明暗もしっかりつけたら、いよいよマスキングインクを剥がしてみる。マスキングを剥がすときは、何となくワクワクするな〜(笑)。

最後に全体を見ながら細部を描き足したり、明暗を調整して完成だ。

(その6へ続く)

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2011年06月28日

完成 サイゴンの朝 メイキング6【日本透明水彩会】展出品予定

(その5から続き)
この絵のメイキングもとうとう6回目。いつもは出来上がってからメイキング記事にする。今回はリアルタイム進行なので時間がかかったけれど、どうやら完成に漕ぎ着けた。
それでは、続きをどうぞ。


1106GMS2_15_440.jpg
左はしのアパレル広告に木漏れ日の影をつけたところ。
うすい紫で日の当たるスジを塗り残すように影をぬり、青空のブルーを少しにじませた。せっかく色を塗った上から紫を塗り重ねてしまうのはちょっと勇気がいる。けれど思い切って塗ってみると、紫の下から下の色がちゃんと見えるので大丈夫。
影の部分に空の色をちょっぴりにじませるといい感じになる。


1106GMS2_16_440.jpg
同じく右端の塀に木漏れ日を塗ったところ。塗った色は左端と同じだが、やや薄い。
バイクの人物もシャドウを濃くしている。また、左の後ろにある黄色いビルも手を加えた。この黄色いビルは正面と側面が大差ない明るさなので、ちょっと立体感に乏しい。南の国は日差しが強く、照り返しで本来暗くなる部分も明るくなってしまうのだ。こんな時はウソでもいいからちょっと明暗に差をつけよう。右の遠景にあるビルを参考に、側面をやや濃くした。

1106GMS2_16_2.jpg
右端の塀看板。木漏れ日を表すために影を塗ったところ。看板の中の木の枝なども描き込んでいく。土台のコンクリート部分も色をつけた。



1106GMS2_17_440.jpg
道路に落ちる影をぬった。それから、塀に落ちる木漏れ日をもう少し白くなるように修正。具体的にはメラミンスポンジで慎重にこすって少しずつ明るくしていく。一番目立つリゾートホテルの塀看板も夜空やプールの色を塗り重ねていく。
遠景のビルがキリッとしすぎているので、青空の色を上から薄く塗ってしまう。境界が出来ないように塗った色のエッジは水筆でぼかしてある。街路樹の葉っぱも上から黄色を塗り重ねている。透明な色を上から塗り重ねることを「グレージング」という。

だいたい色をつけ終わったら、マスキングインクをラバークリーナーで落とす。今回は、何とマスキングインクが薄すぎた。いつもと同じに薄めたのだけれど、マスキングインクのビンの中でゴムがかたまって析出していたので、そもそも元の濃度が薄かったみたいだ。
水彩教室に持っていったので、途中の振動で固まっちゃったのかな。マスキングインクに振動は禁物だ。万が一分離していてもシェイクしてはいけない。(……これは水彩仲間のノエルさんの記事から。ノエルさん、ありがとう。)

マスキングが薄かったので、ところどころ絵の具が浸透してしまった。今回はホワイトが大活躍しそうだ。



水彩画 ベトナム サイゴンの朝 Good Morning Saigon 2
完成画像。
いつもならスキャナーで取り込むのだけれど、これは絵がやや大きめなので、とりあえずデジカメ撮影の画像。
マスキングでしくじったところをホワイトで修正した。また、塀の木漏れ日や、塀広告の色、車道と歩道の境目など、細かいところを少しずつ加筆して、最後にサイン。何とか完成。

この絵を日本透明水彩会展に出そうと思って描いたのだけれど、もう2週間時間があるので、もう一枚挑戦してみよう。またお付き合い下さい。ここまで読んで頂いて感謝します。その1からいっぺんに読みたい方は左の「カテゴリー」か、記事右下にある「サイゴンの朝-メイキング」をクリックして下さい。

Good Morning Saigon 2
サイズ:340×500mm
紙:ウォーターフォード中目300g
使った絵の具(8色)
ウルトラマリンライト、マンガニーズブルーノーバ
カドミウムイエローライト、
バーントシェンナ、バーントアンバー
(以上、ホルベイン)
パーマネントローズ、トランスパレントイエロー
(以上W&N)
オペークホワイト(クサカベ)



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posted by くどうさとし at 21:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイゴンの朝-メイキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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