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2009年11月14日

水彩画 ススキを描くテクニック1

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 いやいや、秋もすっかり深まって、寒い日が多くなりました。秋は、紅葉とか、この「ススキ」とか、絵にしたい風景が盛り沢山。秋らしい題材、色々あるけれど、けっこう難しいんですね、これが。どれもなんだか、「さもありなん」と言う感じのステレオタイプの絵になりやすいので。

 というわけで、ステレオタイプにならないように、ススキをどう扱うかというのがいちばんのポイント、ふたつめのポイントはススキを水彩で描くテクニックです。なんたって、水彩で白いものを描くのは難しいですからね。まずは資料写真から。

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 上の写真みたいに順光(光が前のほうから当たっている)より、下の写真のように逆光(やや後ろから光が当たっている)のほうが穂が浮き出てキレイですね。紅葉、桜、ススキなどは逆光で撮影した方が美しい写真が撮れます。



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 資料写真(他にも10枚くらいあります)をもとに、逆光のススキの穂が画面をヨコに横断している構図にしました。これならあまりステレオタイプなススキのイメージにならないんじゃないかな。
 ススキの穂の帯は、真っ直ぐ画面を横断するのではなく、適当にデコボコして、何本かのススキは飛び出していると言う具合に変化をつけます。
 とても簡単なスケッチで背景の林、ススキの穂の帯を描きました。(写真は鉛筆のコントラストが上がるように画像処理)。



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 最初に、マスキングインクでピカッと光っているススキの葉っぱをマスキング。
 マスキングのチップスはこちらをご覧下さい。



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 つぎに、白いススキの穂を描きます。使うのはろうそく。小さなろうそくのお尻を斜めに削って、ススキの穂を描いていきます。ろうそくが絵の具をはじくので白く残ります。

 背景と穂の帯の境目、それから穂の帯とススキの茎や前景との境目に穂が重なるくらいたくさん描きます。穂は3〜4本の白い筋が根元でくっついているように、1つずつ丁寧にろうそくで描き込みます。背景の部分や前景の部分に飛び出している穂も描き込んでいきましょう。穂の帯の真ん中ヘンは真っ白になるので、特に描く必要はありません。

 ろうそくは描いても見えないのですが、斜めから見ると光って見えます。確認しながら根気よく描きます。



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 空を薄いマンガニーズブルーで塗ったあと、背景の林を描きました。絵の具が乾かないうちに色を少しずつ変えて、単調にならないようにします。シルエットになっている左側は思いきり濃い絵の具で、屋や明るくなっている右側には、ウルトラマリンやパーマネントローズ、カドミウムイエローなんかを散らしてみました。ろうそくで描いたすすきが絵の具をはじく様子がよくわかるでしょう?。

 このあとは、前景を描いていきます。
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2009年11月16日

水彩画 ススキを描くテクニック2

 前回塗った背景の林、輪郭部分をアップでご覧下さい。

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 細かいデコボコがたくさんあるでしょう。これは自然にこうなったんじゃなくて、筆の先っちょでチョンチョンとつっつくようにしてわざとデコボコにしたわけです。輪郭がつるんとしていると、木が茂っているように感じないからですね。

 さて、背景の次は前景をウェットインウェットで塗ります。ウェットインウェットは水彩画のハイライト、いちばん面白いところ。
 画面の一番下からススキの帯の一番下までの部分、水で湿らせます。少し乾いたら、明るい黄緑色から画面に置いていきます。


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 黄緑色は、ウルトラマリンとカドミウムイエローライトの混色です。ススキの帯との境界に黄緑を塗り、その次にもう少し青が強い黄緑を、さらに濃い青緑、ウルトラマリンとバーントシェンナの混色の暗いグレー、とどんどん塗ります。塗ると言うより、筆に絵の具をたっぷりつけて、ポンポンとおいていく感じです。ポンと置いた絵の具がじわーっとひろがって行くにまかせます。ウェットインウェットが乾かないうちに、境界が出来ないように手早く、ポンポン置いてていきますよ。たっぷりの絵の具をポンポンです。

 最初に薄い色から塗っていくのがコツです。あとから薄い色を乗せると、濃い色との境界線が出来てしまうことがあるので、あとから塗る色は前の色より濃度の高い絵の具を使いましょう。そうすると自然になじみます。



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 前景を塗ってみたら、ちょっと地味すぎる感じなので、バーントシェンナをところどころにじませました。これは絵の具が乾く前ににじませたものです。
 乾いたあと、ススキの穂の帯の中に見え隠れする茶色の茎を少し描き込んだんですが、ちょっと全体的に色が枯れすぎているかなー。渋すぎかも。ちょっと水彩らしくない。
 そこで、穂の帯と前景の境目の部分をもう一度水で湿らせて、彩度がもう少し高いグリーンを塗りました。

 コットンの水彩紙で完全に絵の具が乾いていれば、もう一度湿らせても下の絵の具が溶け出すことはないですよ。今回使った紙はコットン50%のファブリアーノ・クラシコ5ですが、絵の具はわりとしっかり定着します。

〈クラシコ5の作例はこっちにもあります。〉
 静物に挑戦、第三弾 バラの花の水彩画
 メリークリスマス(静物第4弾)

 グリーンはマンガニーズブルーとカドミウムイエローライトの混色です。ススキの穂の帯との境界は、ろうそくで穂をずらっと描いてあるので、そんなににじんでいきません。

 このグリーンを入れると、水彩画らしいグラデーションで、ちょっと華やかな感じになりました。



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 前景が完全に乾きました。このあと、ススキの茎や葉っぱを描き入れていきます。
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2009年11月18日

水彩画 ススキを描くテクニック3

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 前景の緑が乾いたところで、白い穂の帯の中に見え隠れするススキの茎や、その下の緑色の葉っぱなどを描き込んでいきます。

 穂の中の茎は茶色で、穂の一本一本が付け根で茶色になって集まっているようすなどを、なるべくランダムに描き込むのですが、描いているとパターンみたいに規則的な配置になりやすいんですね。そこで、パターンにならないために、写真に写っている茎を写すように描いていきます。といっても、写真とそっくり同じ位置に描くわけではなくて、ただ写真を見ながら描くと、自然にパターン化が防げてしまうのです。



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 穂の下の茎と葉っぱの一部分です。葉っぱの光ったところと白い穂はマスキングインクやろうそくでマスクされているので、茎をどんどん描いていきます。これも、写真を見ながら描くおまじないで(笑)パターンにならないように。

 スッとした茎は、日本画の線描のように、筆を垂直に立てて筆先でスッと引くとうまくいきます。上下に引くのが難しければ、絵をヨコにして左右に引くとうまくいきますよ。
 葉っぱは、マスクしたハイライトにつなげて葉っぱのシャドウを描くと、葉陰からのびた葉っぱに光が当たっているようすを描写出来ます。



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 茎と葉っぱを描き込み終わったところ。完全に乾いたら、マスキングインクをラバークリーナーで剥がして、白くしたいところなどをスポンジでそっとこすって修正します。


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 しばらく眺めてみて(少なくとも丸一日)、OKならサインを入れて完成です。
 毎度ながら、お付き合いいただいて、ありがとうございました。

サイズ:297×420mm 紙:ファブリアーノ クラシコ5
使った絵の具:ウルトラマリンライト、バーントシェンナ、バーントアンバー、
       カドミウムイエローライト、マンガニーズブルーノーバ(以上、ホルベイン)
       パーマネントローズ(W&N)
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